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ウォルサム懐中時計 進化する伝統 |
ウオルサム社の歴史はアーロン・L・デニスン、エドワード・ハワード、ディヴィッド・ディヴィスが1850年、アメリカ、マサチューセッツ州にポケットウオッチ工場を創業したことに始まります。2年後、パーツの交換可能なシステムを採用した高性能ムーブメントの機械生産開発(アメリカンシステムと呼ばれるオートメーション化)に初めて成功し、時計作りに大きな進歩をもたらしました。その後もウオルサムは時計作りの基礎や世界的基準となる技術を数多く生み出し、これらの輝かしい功績は現在でも時計作りに欠かせぬものとして広く知られています。
米国独立100周年を記念したフィラデルフィア万博の時計精密度コンテストでは、機械と時計の両部門で金賞を受賞、ウオルサムが当時世界で最も精巧で性能が高いことが証明されました。 一世を風靡した“クレセント・ストリート(Crescent Street)”は、アメリカの鉄道会社の厳密な要求と基準に見事合格したムーブメントとして、その優秀さが認められ、アメリカ初の公式鉄道時計として採用されました。 ウオルサムは20世紀に人類が成し得た数多くの偉業においても重要な役割を果たし、その開拓者精神が継承されていることを示しています。チャールズ・リンドバーグの大西洋無着陸横断飛行とキングフォード・スミスの南太平洋横断飛行でもウオルサムの8日巻き時計が操縦室に備えられていました。また、極地探検家ロバート・ペアリィが人類初の北極圏到達に成功した時も、航路確認のためにウオルサムを重要な航行機具として使用、このようにウオルサムは自然の最も過酷な条件下でも変わらず作動し、冒険家たちを支えていました。
1954年、ウオルサムは本拠地をスイスに移転、以来、卓越したスイス製高級時計を世に送り続けています。あまりに有名な真空時計バキュームを1967年に発表、その20年後には限りなく純金に近い23.76キャラット(990YG)ゴールドのコレクションを世に送り出しました。
こうしてウオルサムは積み重ねた栄光を更に高めつつ、尚かつ未来を見つめ、その輝かしい伝統を大事に尊重し守り続けています。このウオルサムの開拓精神の真髄は現在の全てのコレクション、クラシックなポケットウオッチから、アール・デコ時代を想起させる優美な曲線のレディーウオルサムやロードウオルサムに脈々と受け継がれています。
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